「カピタン・アラトリステ」シリーズと映画「アラトリステ」の背景知識と翻訳裏話


by KATO Kosei Ph.D
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「畜殺用の短刀」

 1巻で隊長が「霊魂の扉」に連れて行かれる際に、ブーツのふくらはぎんとこに隠し持って行った「畜殺用の短刀」ってどんなもんだという質問があったので、少し調べてみました。

 要するにヨーロッパのお肉屋さん用のナイフらしいです。

 おお、そういえばそんな季節だからついでに紹介しちゃるか。

 マタンサmatanza。スペインの伝統的な年中行事っす。村中総出でブタさんを潰して食べちゃうぞ大会。やっぱこういう時はブタさんなんすかね。ポリネシアのルアウ(ブタを地中に掘った土ガマで蒸し焼きにしてみんなで食べる大会)もブタさんだし。

 スペインのマタンサは通例、12月上旬に開催されます。冬に向けてスタミナつけて行くんですね。解体されたブタさんはハムになったりベーコンになったりと、色々な形で保存食になります。それからモルシージャというソーセージも作る。ブタさんの血で作るソーセージ。

 おそらく隊長が使っているのは、このマタンサに使うナイフだと思うんすよね。確証は無いですが。で、どんなナイフかというと、まああまり厳密な決まりは無いんですが、薄刃で片刃で両刃付けのナイフですね。言い換えると

・刀身は薄い
・刃は刀身の片側にしか付いていない
・刃先は刀身の両面から研いで刃が付けられている(洋包丁はたいがいこれですね)

 例えば日本で言う牛刀なんてのもマタンサに使うナイフでしょう。でもあれはさすがにふくらはぎに仕込むにはでかすぎる。

 全長は最大でも12インチ、多分10インチ、もしかしたら8インチ。そんなとこでしょう。今現在、肉屋さんや解体屋さん用として製造販売されている洋包丁でそれくらいのサイズだとこんな感じになります。

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by waka_moana | 2006-12-21 00:44 | 文化