「カピタン・アラトリステ」シリーズと映画「アラトリステ」の背景知識と翻訳裏話


by KATO Kosei Ph.D
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何でガリア人が

 ヒストリーチャンネルのフランク族特集を見ていますが、吹き替え翻訳が怪しいですね。

 例えばwash our blades by their bloodが「奴らの血で我らの剣に洗礼を」と訳されている。こりゃあペケですよ。キリスト教を受容する以前のフランク族に洗礼なんて概念は無いはず。barbariansをカタカナで「バーバリアン」と訳しているのも、「バーバリアン」なんて固有名詞も日本語の普通名詞も無いんだから変ですね。しかも「蛮族」という訳語も使われている。これでは、ある程度の予備知識がある人は「バーバリアン」と「蛮族」がどういう根拠で訳し分けられているのかわからない。

 フランク王国を「フランク王朝」と訳しているのもどうかと思いますね。王朝というのは、ある王家に属する人間が継続的に王位を継承している状態を指しますからね。この番組の場合はクロヴィス1世の話をしているのだから、メロヴィング王朝のフランク王国、としなければならない。

 きちんとした学問と翻訳の技術を同時に身に着けているような方は、実はまだまだ足りないんじゃないかと思います。せめて修士号くらいは持っていて欲しいものですが・・・。でも発注する方がその辺の質の違いを見分けられないんだから、しょうがないよなあ。

 
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by waka_moana | 2007-10-11 21:18 | 余談