「カピタン・アラトリステ」シリーズと映画「アラトリステ」の背景知識と翻訳裏話


by KATO Kosei Ph.D
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カテゴリ:ごあいさつ( 27 )

7巻の噂

 レベルテ先生もご多分に漏れず最近はツイッターで遊んでおられるわけですが、最近チラリチラリと出てくるアラトリステ関係のツイートを眺めていると、どうも7巻の舞台はイタリア本土で、隊長は北に向かうことになるようです。

 フェイスブックのレベルテ先生の掲示板では、センセのツイートに反応したファンたちが「北? 北っつうとスペイン街道(ミラノからアルプスを越え、ライン河沿いにフランドルへ抜けるルート)を通ってまたフランドルに戻るのか?」などと話し合ってますが、どうもその後のセンセのツイートを見るに、7巻のクライマックスはヴェネチアくさいですね。ナポリからイタリア半島を縦断してヴェネチアに向かうってことでしょうか。このルートだとローマもフィレンツェも出そうと思えば出せますね。

 かなり古い情報ですが、7巻タイトルの予告はEl puente de los asesinosですから、ヴェネチアのレアルト橋でまたマラテスタ師匠と愛し合っちゃうなんてシーンを期待しておきます。
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by waka_moana | 2010-06-21 23:17 | ごあいさつ

5巻発売

 5巻が発売されました。

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 5巻の舞台はマドリード。当時、ヨーロッパ最高の質を誇ったスペイン演劇界が今回のテーマです。ロペ・デ・ベガ、ティルソ・デ・モリーナ、カルデロン・デ・ラ・バルカなど綺羅星のごとく出現していた劇作家たちの人間関係や演劇界の舞台裏などの話が要所要所に挿入されていて、時代も地域も全く違う現代日本に生きる私たちにも、17世紀初頭のマドリードの劇場の雰囲気が伝わってくる一冊です。

 特に私が訳していて楽しかったのは、以下の下り。主人公であり語り手でもあるイニゴが、シェークスピアとロペ・デ・ベガを比較するのですが・・・

「実は私は後にイングランドに渡って英語を学び、ギレルモ(ウィリアム)・シェークスピアの作品を読んでみたことがあるし、シェークスピアの戯曲が芝居として上演されるのを観に行ったことさえある。ロペとシェークスピアを比較してみると、登場人物の造形や内面描写においてシェークスピアは一枚上手だと私は思う。しかし独創性や筋立ての妙、多彩な小技、内容の楽しさ、個々の作品の完成度で言えば、ロペを凌駕する者は存在しないだろう。

 登場人物一つ取っても、恋人たちを捉えた疑心暗鬼や不安、腹黒い使用人の心中を、シェークスピアがロペほど巧妙に描けたとは私には思えない。例えばロペのあまり知られていない作品で『ビセオ公爵』という悲劇があるが、この作品がシェークスピアの書いた悲劇に劣るものかどうか。確かにシェークスピアの戯曲には普遍性があって、世界中の誰もが共感しうるものであるが、ロペが劇作という新興芸術において私たちの世紀のスペインを精密に描ききったことも事実である――スペインらしさという点でロペの作品と同じ高みにあり、普遍性という点でシェークスピアの作品と同じ高みにあるのは『ドン・キホーテ』だけであろう。」

 という具合です。俺たちのロペはシェークスピアにも全然負けてないんだぞと。著者はシニカルな熱烈愛国者ですからね。スペインは最低だけど最高なんだと、断固言い張る。

「様々な国を見渡してみても――それがシェークスピアの国だとしても同じことだ――、自らの生活習慣や価値観、言語がどのようなものであるかということを、スペインほどに深く理解出来る国は見当たらない。これもまたロペ、カルデロン、ティルソ、ロハス、アラルコンらの手によって、世界最高の質を長い間維持されてきたスペイン演劇の存在故である。この頃にはイタリアやフランドル、新大陸、さらには遙か海の彼方のフィリピンに至るまでスペイン語が話されていたし、フランス人のコルネイユは自国で劇作家として成功する為にギジェン・デ・カストロの芝居を真似する有様であった。シェークスピアの祖国などはまだ後進国の一つでしかなく、老いて疲れたスペインという獅子の踵を囓っている、善人を装った海賊の島でしかなかった。」

 まあ私も英語以外のヨーロッパ語は読み書き出来ないんですが、複数のヨーロッパ語が使える人の意見で多いのは「英語はヨーロッパ語の中の異端だ」というものですね。格変化が殆ど無いので、文章の論理構造が文脈に依存する形になっていて出鱈目だという(確かに私もそう思います。日本語もそうなんですが)。語順を精密に考えて書かないと、複雑な論理構造の思考を表現出来ない。

 一方、スペイン語もそうですがフランス語、ドイツ語、イタリア語など他の多くのヨーロッパ語は英語より遙かに精密に、複雑な話を記述出来るのだそうです。また、確かに英語は現代のデフォルトの世界語ではありますけれども、言語文化の豊かさという点で見ると特に突出した存在ではないとも。

 実際、この作品もスペイン語で書かれているわけですが、英語圏の文学に知名度以外では何にも負けて無いですよ。是非ともお読みになってください。

楽天ブックス
http://item.rakuten.co.jp/book/5039847/
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by waka_moana | 2007-10-26 08:38 | ごあいさつ
 「アラトリステⅣ:帝国の黄金」本日発売です。

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 この巻はエンターテイメントとして言えば4巻までの中で一番良く出来ています。面白いですよ。
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by waka_moana | 2007-04-27 10:47 | ごあいさつ
 4巻が手元に届きました。取り敢えず書いておきます。エピローグの最終行。「綱のように」という部分は「鋼のように」の誤植です。
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by waka_moana | 2007-04-26 14:51 | ごあいさつ

4巻は長い

 既にアマゾンでは注文受けてますね。「アラトリステⅣ:帝国の黄金」。

 恐るべきはそのページ数です。352ページ。3巻よりさらに30ページくらい長い。しかも5巻はどう考えてもこれより長いのだから・・・・う~む。

 
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by waka_moana | 2007-04-08 18:16 | ごあいさつ

印税(笑)

 1巻と2巻の印税をいただきました。併せてママチャリ2台分くらいかと思っていましたが、それよりは若干多かったです。若干ね(笑)。

 5巻もいきなり色々と展開する展開で面白そうです。でもこれ、映画とかなり設定違うんじゃないか? 特に隊長の女性関係の。
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by waka_moana | 2007-04-06 10:08 | ごあいさつ
 以下の募金活動に発起人として加わることになりました(膝の上の息子をあやしながら片手打ち)。

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  「地球交響曲」第三番に故星野道夫と共に出演したハワイの英雄ナイノア・トンプソンが、あの、古代遠洋航海カヌー「ホクレア号」で、いよいよ日本にやって来ます。
 
 ハワイからミクロネシアを経て日本列島に至る、この大航海はナイノアの長年の夢でした。3歳の頃から、海との付き合い方を日系2世のヨシオ・カワノさんから教わったナイノアは、その恩返しの想いと、数千年前に南太平洋から北米アラスカまでを繋いだ、環太平洋海洋民族の魂を21世紀に甦らせるために、この大航海に乗り出したのです。星に導かれ、波を読み、風の伝言に耳を傾けながら目的地に向かうこの旅は、21世紀の子供達へのナイノアからの贈物です。

 この壮大なプロジェクトを達成させるために私たちは、航海の安全を祈り、日本国内滞在を支援することを目的とした「ホクレア号航海2007基金」を立ち上げます。

 この基金は、ホクレア号の乗組員が日本国内で活動するための資金として使われます。
 
 ぜひともナイノアの熱い志を多くの皆様の手でご支援くださるようお願い申し上げます。

*ホクレア号はミクロネシアへの航海の後、4月から6月にかけて日本に到着する予定。寄港場所は、沖縄(糸満)、熊本(宇土)、長崎、福岡、山口(周防大島)、広島、愛媛(宇和島)、横浜の予定です。
航行距離:6,959マイル(約11,200キロ)、航海予定日数74日間。

ハワイ州観光局公認「ホクレア号航海2007基金」
【発起人】
龍村 仁
龍村ゆかり
海部宣男(天文学者、前国立天文台ハワイ観測所所長)
加藤晃生(翻訳家、ホクレア・ブログ翻訳)

【世話人代表】
杉原三智子

【所在】
新宿区新宿2-2-1-1307
有限会社龍村仁事務所内

【ホクレア号航海2007基金〔呼びかけ人〕】
名嘉睦稔(版画家)
Halko(ミュージシャン)
C.W.ニコル(作家)
後藤明(同志社女子大教授)
海部陽介(国立科学博物館教授)
辰野勇(日本カヌー連盟理事、モンベル社長)
北山耕平(作家、翻訳家)
宮里裕司(沖縄県座間味村議員、シーカヤックガイド)
西岡正三(『ターザン』編集部)
洲澤育範(カヤックビルダー)
サンディ(シンガー・クムフラ)
湯川れい子(音楽評論家、作詞家)
拓海広志(海洋エッセイスト、オフィス☆海遊学舎主宰)
宮本亜門(演出家)
藤崎達也(NPO SHINRA代表)            ※順不同

「ホクレア号航海2007基金」への参加方法

目標金額 500万円

2000円以上の任意の額を下記口座へお振込みをお願いいたします。
郵便振替口座番号  00140-4-539612
口座名称        ホクレア号航海2007基金

〔特典〕
○ホクレア号航海2007のオリジナルステッカーを全員に差し上げます。
○ホクレア号航海の情報をお届けします。
○5000円以上のご寄付をいただいた方には、ホクレア号航海2007オリジナルTシャツ(定価2,100円)を差し上げます。郵便振替用紙にご希望のサイズ、色のご記入をお願いいたします。(数に限りがあるため、ご希望に添えない場合はご連絡いたします)
  
  色:ホワイト・ネイビー・グレー   
  サイズ:        
S M L XL
身幅 49cm 52cm 55cm 58cm
着丈 66cm 70cm 74cm 78cm

●ホクレア号、及びナイノア・トンプソンについて詳細をお知りになりたい方は、下記のホームページをご覧下さい。

ポリネシア航海協会
(PVS)http://pvs.kcc.hawaii.edu/2007voyage/index.html

ホクレア号航海ブログ

ホクレア号の現在位置
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by waka_moana | 2007-03-13 22:51 | ごあいさつ

a child is born

 夕方、妻を病院に送っていった時のことです。食堂でメールを打っていたら年配の女性が公衆電話で話していました。「今日、主人が亡くなったので・・・」

 深夜、分娩室で息子が生まれるところに立ち会って来ました。出てきた時は凄い泣き声を上げていたんですが、その後は難しい顔で考え込んだままです。・・・・・哲学者の息子はやはり哲学者なんでしょうか。

 人ひとり生まれてくるにもこれだけ大騒ぎがあるんですね。気軽に死ぬとか死ねとか殺すとか口走っているあほたれは大勢いますが、人の生き死にというのは厳粛なものなんだなと思いました。日本をイニゴやアラトリステが生きた時代のような場所にしてはいかん。つくづくそう思いましたね。
 
 いつか息子を連れてレオンの、隊長の故郷に行きます。
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by waka_moana | 2007-02-11 00:51 | ごあいさつ

西宮でもありますので

念のため告知しておきます。西宮でもあるんです。

河野兵部おぢさんのスペイン流クラシック・ギター・コンサートin西宮

 1月28日 14:30 開場/15:00 開演
 白鷹禄水苑 宮水ホール
 前売り:2,500/当日:3,000円

 昨日だったか、朝イチでO内から「ポスターを作るからコピー原案を考えろ」という要請がありまして、何か適当に書いて送ったような記憶があります。4巻カバー見返し用あらすじとか腰巻き用あらすじも書かされました。

 ですから多分、アラトリステ販促ポスターを抱えたO内が会場内のどこかをウロウロしているんじゃないかと思います。
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by waka_moana | 2007-01-12 23:22 | ごあいさつ

しばらく

 家人が入院してしまいました。

 しかも4巻の追い込み。

 ということでしばらくウェブログの更新は出来ないような気がします。

 
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by waka_moana | 2007-01-12 20:04 | ごあいさつ