「カピタン・アラトリステ」シリーズと映画「アラトリステ」の背景知識と翻訳裏話


by KATO Kosei Ph.D
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

<   2007年 03月 ( 7 )   > この月の画像一覧

5巻はじまる

 ついに5巻の作業始まります。大長編。長い。夏までに終わるかなこれ。
[PR]
by waka_moana | 2007-03-28 13:25 | 翻訳作業
 色々と■■■■■■■■■■■が、ともかくエピローグも校了したであります。
[PR]
by waka_moana | 2007-03-20 13:20 | 翻訳作業
 終わりました。BGMはセビジャーナスのコンピレーションCDでした。今回は本編9章+エピローグです。3巻のようにエピローグの後のネタはありませぬ。

 久しぶりに4巻読みましたが、良いですね。良く出来てますよ。スペインで大ヒットしたのもわかる。きちんと宣伝すれば日本でもそこそこ売れると思うんだけどなあ。

 3巻はやはり賛否両論ありましたが、4巻は自信ありますよ。3巻までアラトリステを読んできてこの巻に燃えない人は居ないでしょうね。イニゴ大活躍、隊長大活躍、師匠も大活躍。グアダルメディーナ坊っちゃん大活躍。アンヘリカ大暗躍。ワリを食ったのはボカネグラとアルケサルとオリバーレス伯公爵でしょうね。あとケベ爺も見せ場が少し減らされたか(でも2回も乱闘シーンがあるんだから、それで満足しとけ)。

 はっきり言って訳している私たちは大赤字なんですが、まあそれだけ捨て身でやっただけのことはある(もう一度このギャラでこの仕事やるかと言われたらやらないですけど)。個人的には3巻の方が思い入れがありますけど、訳文の質は4巻のが上だな。お話そのものもパワー全開ですしね。6巻以降が邦訳されないことを心底嘆いていただける自信あります。
[PR]
by waka_moana | 2007-03-19 21:48 | 翻訳作業

校正は7章まで来た

 今日で7章まで終わりました。来週中には一応最後まで行くかな。訳文そのもののクオリティが上がってきているので、今のところ大幅な修正を要する箇所は無いのですが(すいません、たまに我ながらほれぼれする下りもあります)、でももっと時間的余裕欲しいぞ、おい。

 長野先生の絵はまだ1枚しか見ていません。それもスキャニング状態が良くなかったのでどんなものかはっきりとはわかりませんでした。早く表紙絵見てみたいっす。
[PR]
by waka_moana | 2007-03-17 18:31 | 翻訳作業

校正始まる

 4巻の校正が始まってます。〆切が異常にタイトです。3巻の時の半分以下の時間しかないですよ。なんですかこれは・・・・・・。
[PR]
by waka_moana | 2007-03-15 21:52 | 翻訳作業
 以下の募金活動に発起人として加わることになりました(膝の上の息子をあやしながら片手打ち)。

c0075800_22463114.jpg


  「地球交響曲」第三番に故星野道夫と共に出演したハワイの英雄ナイノア・トンプソンが、あの、古代遠洋航海カヌー「ホクレア号」で、いよいよ日本にやって来ます。
 
 ハワイからミクロネシアを経て日本列島に至る、この大航海はナイノアの長年の夢でした。3歳の頃から、海との付き合い方を日系2世のヨシオ・カワノさんから教わったナイノアは、その恩返しの想いと、数千年前に南太平洋から北米アラスカまでを繋いだ、環太平洋海洋民族の魂を21世紀に甦らせるために、この大航海に乗り出したのです。星に導かれ、波を読み、風の伝言に耳を傾けながら目的地に向かうこの旅は、21世紀の子供達へのナイノアからの贈物です。

 この壮大なプロジェクトを達成させるために私たちは、航海の安全を祈り、日本国内滞在を支援することを目的とした「ホクレア号航海2007基金」を立ち上げます。

 この基金は、ホクレア号の乗組員が日本国内で活動するための資金として使われます。
 
 ぜひともナイノアの熱い志を多くの皆様の手でご支援くださるようお願い申し上げます。

*ホクレア号はミクロネシアへの航海の後、4月から6月にかけて日本に到着する予定。寄港場所は、沖縄(糸満)、熊本(宇土)、長崎、福岡、山口(周防大島)、広島、愛媛(宇和島)、横浜の予定です。
航行距離:6,959マイル(約11,200キロ)、航海予定日数74日間。

ハワイ州観光局公認「ホクレア号航海2007基金」
【発起人】
龍村 仁
龍村ゆかり
海部宣男(天文学者、前国立天文台ハワイ観測所所長)
加藤晃生(翻訳家、ホクレア・ブログ翻訳)

【世話人代表】
杉原三智子

【所在】
新宿区新宿2-2-1-1307
有限会社龍村仁事務所内

【ホクレア号航海2007基金〔呼びかけ人〕】
名嘉睦稔(版画家)
Halko(ミュージシャン)
C.W.ニコル(作家)
後藤明(同志社女子大教授)
海部陽介(国立科学博物館教授)
辰野勇(日本カヌー連盟理事、モンベル社長)
北山耕平(作家、翻訳家)
宮里裕司(沖縄県座間味村議員、シーカヤックガイド)
西岡正三(『ターザン』編集部)
洲澤育範(カヤックビルダー)
サンディ(シンガー・クムフラ)
湯川れい子(音楽評論家、作詞家)
拓海広志(海洋エッセイスト、オフィス☆海遊学舎主宰)
宮本亜門(演出家)
藤崎達也(NPO SHINRA代表)            ※順不同

「ホクレア号航海2007基金」への参加方法

目標金額 500万円

2000円以上の任意の額を下記口座へお振込みをお願いいたします。
郵便振替口座番号  00140-4-539612
口座名称        ホクレア号航海2007基金

〔特典〕
○ホクレア号航海2007のオリジナルステッカーを全員に差し上げます。
○ホクレア号航海の情報をお届けします。
○5000円以上のご寄付をいただいた方には、ホクレア号航海2007オリジナルTシャツ(定価2,100円)を差し上げます。郵便振替用紙にご希望のサイズ、色のご記入をお願いいたします。(数に限りがあるため、ご希望に添えない場合はご連絡いたします)
  
  色:ホワイト・ネイビー・グレー   
  サイズ:        
S M L XL
身幅 49cm 52cm 55cm 58cm
着丈 66cm 70cm 74cm 78cm

●ホクレア号、及びナイノア・トンプソンについて詳細をお知りになりたい方は、下記のホームページをご覧下さい。

ポリネシア航海協会
(PVS)http://pvs.kcc.hawaii.edu/2007voyage/index.html

ホクレア号航海ブログ

ホクレア号の現在位置
[PR]
by waka_moana | 2007-03-13 22:51 | ごあいさつ

お薦めの副読本

 2巻の副読本として打って付けの一冊を見つけました。

 関哲行『スペインのユダヤ人』(山川出版社、2001年)

 
c0075800_8421170.jpg


 タイトルからしてもうそのまんまなのですが、きちんとした学術資料に基づき、平易明解な文章と適切な補注によって、スペイン(イベリア半島)におけるユダヤ人の2000年を追った好著です。ユダヤ教とキリスト教の違い、ユダヤ人のディアスポラ(ローマ帝国への反乱[ユダヤ戦争])からセファルディーム(イベリア系ユダヤ人)とアシュケナジーム(中東欧系ユダヤ人)の分離、イベリア半島におけるユダヤ人政策の変遷とその影響など、これ一冊でともかく概観出来てしまう。しかも本文94ページしかない。729円。

 もちろん「アラトリステ」とか「ヴィゴ」といった名前が出てくることは一切ありませんが、2巻の背景をより深く理解する上では貴重極まりない本です。

 色々と興味深い話もありましたよ。例えばイベリア半島におけるユダヤ人政策は弾圧と融和の繰り返しであり、融和の時代には有力なユダヤ人政治家や知識人が国家の中枢に関わっていたこととか、イサベルとフェルナンドがレコンキスタを完了した瞬間に反ユダヤ政策に転じた(それまではユダヤ人の勢力をレコンキスタに利用していた)背景には、国民国家形成の為に「わかりやすい敵」が必要だったこと。2巻でも触れられていましたが、スペインからユダヤ人やコンベルソを追放したことが、結果としてスペイン王国の衰退を促したこととか。

 これは3巻や4巻の内容とも繋がるのですが、スペインを追われたユダヤ人が一番多く集まったのがイスタンブルでありアムステルダムでした。イスタンブルのユダヤ人コミュニティからは有力な政治家が出て反スペイン政策を進めましたし、アムステルダムに集まったユダヤ人コミュニティは当然ながらオランダ独立を支援しつつ、環大西洋の交易活動の中枢を担った。スペインがセビージャでやろうとしていた新大陸交易の独占を突き崩す人材と資金がアムステルダムに集まっちゃったということです(この辺は4巻を読まれるとさらに笑えます)。

 「憐れなスペインよ。」

 ところでこの本にはもう一つ、面白い記述があります。12世紀から13世紀にトレドを中心として、イスラム世界の学術書が大量にラテン語訳され、後のルネサンスの種となった話は割と知られていますが、この時トレドに集まってアラビア語→ラテン語の翻訳活動を行っていた人々は、ユダヤ人やモサラベ(イスラム圏出身のキリスト教徒)の知識人でした。その彼らがやっていたのは、ロマンス語(ここでは中世ヨーロッパで話されたラテン語系の口語)を共通言語としたチーム翻訳だったのだそうです。

 つまり、アラビア語に強い翻訳家がアラビア語からロマンス語への翻訳を行い、さらにラテン語に強い翻訳家がロマンス語からラテン語への翻訳を行うという作業。なんだ、私らがやってるのと同じようなもんじゃないですか。私らもスペイン語、英語、日本語のトリリンガル体制で「アラトリステ」の翻訳してますからね。
[PR]
by waka_moana | 2007-03-05 09:04 | 文化