「カピタン・アラトリステ」シリーズと映画「アラトリステ」の背景知識と翻訳裏話


by KATO Kosei Ph.D
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

<   2008年 12月 ( 6 )   > この月の画像一覧

原稿リサイクルその2

 パンフで使わなかった(というか10分の1くらいに圧縮して使った)年表の初稿をリサイクルしときます。映画を見てパンフを読んで、まだ歴史の流れが理解出来ないという方(結構居るでしょう)、これでいかがでしょうか?

More
[PR]
by waka_moana | 2008-12-29 09:12 | 映画

6巻は絵らしいんですが

 最近、原作者レベルテの旦那が6巻について語ったインタビューを読む機会がありました。
 
 6巻のテーマは絵。絵画らしいです。

 絵画といえば既にベラスケス先生が3巻で取り上げられていますが、今度の舞台はナポリですからね。ってことは、ホセ・デ・リベラあたりが登場するんでしょうか? リベラってスペインでは結構なビッグネームですから。そりゃあベラスケスやムリーリョやゴヤ級の扱いは受けてませんけども、彼らに次ぐセカンドグループ筆頭くらいの存在感はあります。実際、良い絵を沢山描いてますから。

 いや、楽しみですね。皆様には申し訳ありませんが、来月中には英訳版の6巻を入手して、隊長の新たな活躍を堪能する予定が入っております。原稿とか育児とか忙しいはずなんですが。
[PR]
by waka_moana | 2008-12-15 21:25 | うらよみ
 表題の通りのコンセプトにて、手元にあってまだ行き先が決まっていない映画「アラトリステ」パンフレット2部を、欲しい方に先着順で差し上げます。

 応募条件は以下の通り。

1:まだ「アラトリステ」が公開されていない地域、あるいは公開予定が無い地域に在住であること。

2:今日現在で開設から半年以上経過しており、なおかつ過去に30件以上の記事が公開されているウェブログを運営していること。

3:パンフレットの内容を称賛する提灯記事(笑)を自身のウェブログに、パンフレット到着から1週間以内に掲載すること。この場合、提灯記事とは「せめて文章の半分くらいは好意的なことが書いてある」という意味です。批判も可ですが、批判だけの記事は書かないでくださいね。

4:原作本を5巻まできちんと買っていること(笑)。

 応募方法

 以下のメールアドレスに「お名前」「郵便番号」「住所」「ウェブログのURL」「原作5巻331ページに登場する全ての登場人物の名前と、このページの感想」を明記の上、スパムと間違われないようなタイトルでメールを送ってください。

akiwokumaあっとまーくhotmail.com
[PR]
by waka_moana | 2008-12-13 12:18 | 映画
 先ほど(21時15分)に黒猫さんが現れて、パンフの見本5部を置いて去っていきました。東京では明日公開ですからね。さすがにもう出来てないとおかしいわけで、東宝ステラさんはきっちり期日に合わせて仕上げてきたということです。

 さて、今日は前祝いでスペインのワインを1本買って来て開けたのですが、さっきラベルを見ていて妙なことに気づきました。メルシャンが輸入した「フアン・フランシスコ・ソリス・レセルバ」という赤ワイン。カスティーリャ・ラ・マンチャ地方の銘醸地バルデペーニャ(行ったことあります)産です。メルシャンのウェブサイトにはこんな風に書かれています。

「 『フアン・フランシスコ・ソリス』は、18世紀にスペインの独立戦争の際、ナポレオンの軍隊と戦ったソリス家の先祖の名前にちなんで造られたワイン。後に彼はチャールズ4世からその活躍を認められ表彰されます。その際譲与された土地でワイン造りを始め、その情熱的で高品質なワインは現代まで受け継がれ、世界中で広く親しまれています。ティント、ブランコ、レセルバの3種で、レセルバは網掛けボトルでスペインの伝統感を表しています。」
http://www.mercian.co.jp/company/news/2004/0442.html

 ひっかかるのは「チャールズ4世からその活躍を認められ」という部分。チャールズというのはイギリス語の名前ですが、チャールズ4世なんて王様はイングランドにはいなかったはず。誰だこれ?

 1分くらい考えてしまいましたよ。これってつまりその、ナポレオン戦争時代のスペインの王様だった、カルロス4世のことじゃないですか。まったく。何でこんなバカな文章が生まれたのでしょうか? 多分これ、もとは英語の文章で、それを英語の勉強だけしてきた翻訳家が訳したんだと思います。西日の翻訳ならカルロスをチャールズにするなんてあり得ないですからね。

 これで思い出したのが、とある大学の某新設学部の話。そこはその昔、通訳者として大層活躍された方が発起人になって作った学部で、翻訳やら通訳やらの学術的研究や充実の語学研修を看板にしています。なんでも開設初年度の入試の倍率は40倍を超えたとか。ずいぶんと景気の良い話で結構なことなのですが、通訳業界については知りませんけれども、翻訳家を育てるという話であれば、高校を出たばかりの若者にいきなり翻訳論と語学(しかも喋りメインの)を中心とした教育を施すのはあまり良いやり方ではないと私は思います。

 カルロス4世をチャールズ4世と訳した翻訳家は、要するにヨーロッパの近代史も知らなければヨーロッパ人が他国の王や貴族の名前を自国語読みに変換していることも知らなかったわけです。例えばスペイン王カルロスCarlosはドイツ人にはカールKarl、イングランド人にはチャールズCharles、フランス人にはシャルルCharlesと呼ばれます。しかも連中はごく少ない名前を使い回しているので、神聖ローマ皇帝カールもイングランド王チャールズもフランス王シャルルもスペイン王カルロスもうじゃうじゃ居る。だから、本来この手の文章が出てきたら翻訳家は年代と国と事績を入念に確認して、どの国の誰の話なのかを見極め、カルロスかカールかチャールズかシャルルかを決めなければいかん。

 こういう知識は、語学だけやっていても身に付きません。翻訳論なんか多分何の役にも立ちません。地域研究も駄目。だってスペインのことだけ勉強していたってチャールズやシャルルの話は出てこないんだもん。

 この場合、理想的なのは歴史学をきちんと学んでいること。何度も書きますけど、翻訳の仕事は語学以外の部分の知識の厚みが勝負を分けます。別に歴史学を学ばないと翻訳家になれないと言いたいわけではありません。社会学でも地理学でも文化人類学でも良いでしょう。医学、工学、理学、薬学も非常に有用です。まずは何か一つ、伝統的な学問の基礎をきちんと身につけることが大事です。

 ただ、現状、日本の翻訳家の大半は語学しか出来ない人たちであることも事実です。さまざまな映画の字幕を見ていても、トリノをトゥーリンと訳してみたり(それは英語読みだ!)、レパントLepanto(固有名詞・地名)とレバンテlevante(一般名詞「東」)を取り違えてみたりと珍妙な訳の例は枚挙に暇がありません。それで通用してしまっている業界であるとも言えますし、カルロスがチャールズでもワインの味は変わらないだろうと言われればその通りなのですが・・・
[PR]
by waka_moana | 2008-12-12 22:21 | 翻訳作業
 さすがに原作本もちょこっとだけ在庫が動き始めたようですね。アマゾンが5巻の取り扱いを開始したり(笑)。

 さて、映画の予習として、あるいは復習として取り敢えず読んでみようという方へのアドバイス。原作の既刊6巻(第6巻は未訳)のうち、映画に使われたエピソードが入っているのは・・・

1巻 (2人のイングランド人事件)
3巻 (ブレダ攻城戦と絵画「ブレダの開城」)
4巻 (密輸船ニクラースベルヘン号事件)
5巻 (主人公の女絡みのゴタゴタ)

となります。2巻も非常に面白いですけれども、急いで話をさらっておきたい向きにはまず1巻、次に4巻、続いて3巻、5巻と読んでいくのが良いかと思います。
[PR]
by waka_moana | 2008-12-09 08:28 | 映画

暗号文

 既にコアな主演男優ファンの方々の中には気づいておられる人も少なくないようなので、取り急ぎ。

 包囲の件も含め、私は先月、日本語字幕版を観た時点でA4用紙2枚に気づいた点をまとめて然るべき筋に渡しております。サービスで。

 今日確認したところ、劇場にかける分については可能な限り修正するとのこと。

 
[PR]
by waka_moana | 2008-12-04 20:19 | 映画